Spotify Rhythm - Spotifyはどのように開発方針を揃えているのか

概要

Spotifyモデル(2013)では開発体制について説明がされているが、開発方針は各チームにいるプロダクトオーナー(PO)が連携をとって調整する程度しか触れられていない。

2016年のAgila Sverige(=Agile Sweden)でHenrik Knibergが講演した資料には開発方針の揃え方が紹介されている。

詳細

Spotify Rhythm

2016年時点のSpotifyが、社内の開発方針を揃えるために構築したフレームワークの呼び名。 2009年から2014年はOKR、2014年から2015年はPriorities & Achievements(詳細不明)を使っていたそう。

下記から構成される。上位に書かれているものほど基本となる方針で長期にわたって使われる。

  1. Company Beliefs (3-5年を見据えた会社の信念、Daniel(Spotify CEO)が用意する)
  2. North Star & 2-year Goals (中期目標)
  3. Bets (賭け、直近何に注力するか。6-12ヶ月程度)
    • Company Bets(会社方針に基づくプロジェクト)
    • Functional Bets(Functional Lead(機能ごとのプロダクトマネージャーみたいなもの?)の提案で始まる大きめのプロジェクト)
    • Marketing Bets(マーケティング主導で始めるプロジェクト)

Bets

Betsとは

Company Beliefs(会社方針)、North star goals(X人のアクティブユーザとか)を踏まえて、Betsを優先順位づけする。優先度ではなく、かならず1番重要なものがわかるようにする。 ただし着手時期が異なるものが含まれるので、「今すぐやるべきこと」「次にやること」「あとでやること」に分類した上で、優先順位づけをそれぞれ行う。

Betsを優先順位づけしたリストはGoogle Spread Sheetで管理され、社内の誰もがいつでも確認することができる。

それぞれのBetには2ページからなる概要が付属している。概要はGoogle Docで書く。

  • 1ページ目
    • Lead team sponsor : チームのスポンサー
    • Key stake holders : 重要なステークホルダー
    • Related bets : 関連するBets
    • Road manager : 音楽業界だと地方巡業のマネージャーを指して言うらしい。プロジェクトを通じてのリーダーだろうか?
    • Success metrics : Betsの成功を判定するためのメトリクス
  • 2ページ目 : DIBB (後述)

DIBB

議論のためのフレームワーク。Betsが生まれた背景を記録しておくのに使っているのかも。

  1. Data : 事実
    • 例)デスクトップで音楽を聞く人よりスマートフォンで音楽を聞く人が増えている。
  2. Insights : 洞察
    • 例)スマホは音楽を聞く手段としてデスクトップを上回ろうとしている
  3. Beliefs : 確信
    • 例)生き残るにはモバイルファーストにならないといけない
  4. Bets : 賭け、何に会社のリソースを割くか
    • 例) デスクトップの開発者をモバイル向けに配置転換。モバイル開発者を採用する

Betsで開発方針を揃える

各開発チームがもっとも優先順位の高いBetsから取り組むため、Betsの対応完了時に自然と全体の整合性が取れるようになる。

Betsは抽象度の異なる3段階でボードを用意し、メンテナンスをする。

  1. Company Bets Board
    • 会社方針についてのもの
    • 戦略を考えるチームが4半期ごとに見直す。
  2. TPD(Tech-Product-Design) Bets Board
    • 複数の開発グループ(100人単位のTribe)を束ねてのもの
    • TPD見直しチーム(Tribeをまたがって選出されるのかな?)が6週間ごとに見直す。
  3. Tribe Board
    • 開発グループ単位のもの

元ネタ