LEGOにおけるアジャイル開発のスケールアウト(Planning as a Social Event)

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概要

LEGOのデジタルソリューション部門における複数のスクラムチームの方向性を揃えるための2日間のイベント開催事例の紹介。 ネタ元はPlanning as a Social Event - Scaling Agile@LEGO

詳細

2014年のLEGOでは会社トップの施策として年単位の計画や予算配分の枠組みを策定していた。 またボトムの施策として開発チームはスクラムを適用して開発をそれぞれ進めていた。 しかし中間層(プロダクトオーナー、プロジェクトマネージャーなど)では開発の優先順位が揃わず、たくさんの打ち合わせ、メール、ドキュメント、ストレス、混乱が発生していた。

そこでチーム間での足並みを揃えるため、2015年から2日間の全体合宿(Social Event)を8週間おきに開催するようになった。

全体合宿の内訳

体育館や広い会議室、食堂のような全員が一堂に集まれるスペースを用意して開催する。 全員参加でオフショアのように普段の拠点が離れているチームは代表者のみが参加することもある。

1日目

デモ

5分間のビデオを上映し、直近2ヶ月間でリリースされた内容のハイライトを紹介する。 毎回のスプリントレビューのフィードバックとは異なる視点で、インスピレーションを与え、全体概要を把握しやすくし、自分たちがどこに向かおうとしているのかを思い出させる効果がある。

ライトニングトーク

マネージャーがいくつかの話題を紹介する。例えば「Digital Child Safety(? なんのことだろう)」、「近々開催予定のハッカソン」、「プラットフォーム戦略」など。

フィードバックを書くボードが用意してあり、次回より改善する方法を休憩時間に議論できるようになっている。

計画(Team breakouts)

普段のチームごとにホワイトボードの近くに集まり、次の数ヶ月の計画を立てる。8週間の間に予期しないことがたくさん発生するため詳細を詰めるのではなく、高レベルの計画を話し合う。 オープンスペースのように今話し合っていることから学びがなかったり、貢献できていなかったり、楽しめていないと感じた時は別の場所に移動することが奨励されている。

チームは開発項目をバックログから自発的に取得する(=Pull)。誰かが開発項目をチームに割り振る(=Push)ことはしない。過去の実績を踏まえてどれくらいできるかを元に決定する。バックログは複数チームで共有のものもあるし、専門チームは個別のバックログを持つこともある。

チームごとの計画ボードの他に、全チームで共有するリスクボードと依存性ボードがある。リスクボードは各チームの計画で見つかったリスクを付箋に書いて貼り出すもので、適切な解決の話し相手を見つけて計画中に解決したり、解決できないものは上位の管理職にエスカレーションする。

依存性ボードはチームが取り組む開発項目の依存性を可視化するものである。横軸にチームごとのレーンを作り、縦軸はスプリントごとに行を分ける。依存される開発項目(先に行うもの)は赤色、依存する開発項目(後に行うもの)は青色の付箋を使い、両者を線(紐とかマスキングテープ)で繋いで可視化する。例えば赤色の付箋が多く貼られているチームは少しの遅延が他チームに大きな影響を与え、遅延が拡大するリスクを抱えていると考えられる。チームが十分に自立していると、自然と依存性ボードの前に集まり、計画を阻害する要因について議論し、解決を促す役割を果たす。依存性ボードは全体合宿での議論だけでなく、普段の開発現場に持ち帰り、定例(Scrum of Scrumsなど)の場でリスクを再確認するためにも使うことができる。

計画の相互紹介(Draft plan fair)

計画がひと段落したらバザー形式で相互に計画を紹介し合う。時間を決め、好きな場所に移動し、計画を聞き、ディスカッションを行う。LEGOでは7.5分を4ラウンド行なっている。以前は全チーム持ち回りで発表するようにしてたが、聞いている人が飽きてしまい、ほとんどの人にとっては全チームの計画を知る必要がないと判断し、4ラウンドに落ち着いたそう。

管理職のレビューと問題解決

開発チームのメンバは帰宅し、管理職やリーダーだけが残る。 リスクボードと依存性ボードを並べた前に全員が集まり、現状課題の認識と解決策を議論する。

リスクボードにあげられた項目はROAMフレームワークを使ってすべて処理してから帰る。これは各項目をResolved(解決した)、Owned(担当を決めた)、Accepted(リスクを受け入れた)、Mitigated(軽減策を検討した)のいずれかに分類するものである。

2日目

計画の相互紹介、管理職のレビュー結果を踏まえて再度チームで計画を見直す。 LEGOでは全体合宿の進行を見直し、現在では1日で終わるようになったらしい。

ふりかえり

全体合宿の振り返りをチームごとに行う。前回よりも改善されたこと、次回改善すべきこと、全体合宿の点数を5点満点で評価する。

チームの振り返りが終わった後、スクラムマスター、ファシリテーターだけ残り、チームの振り返りさまりを改善ボードの前で共有していく。