1on1
概要
「定期的」に「上司と部下の間」で行う1対1の対話。 対話を通じて部下の行動や経験学習を深めることを目的としている。
詳細
1on1とは
「定期的」に「上司と部下の間」で行う1対1の対話。 「具体的な経験」を思い出し、「内省」し、「教訓を引き出し」てから、「新しい状況へ適用」するサイクルを回すことで業務経験から成長につなげる。
部下の成長のために行われるミーティングである。 上司の進捗管理のためではない。 また評価のための面談ではない。
やり方
定期的に実施する。ヤフーの場合、週に1回30分程度。 間隔が開いても3週間程度に留める。
「今日は何を話そうか」から切り出すと良い。1on1で話すトピックの選択を部下に委ねることになり、上司・部下両方の頭を「1on1は部下のために行うもの」へと切り替えることができる。
部下に十分に話をしてもらうことが重要。なぜなら経験学習を深めるには自らの経験を詳細に思い出し、自分の言葉で口にし、深く内省することが効果的だからである。 部下の話を遮らず、傾聴することが重要。 話を間違った方向に進めてしまうかもしれないので自分の考えも話さない。 また部下の考えを深めるために「言い換え」を使うと良い。
1on1終了後の次の行動は、部下に自ら思いついて行動に移ってもらうと良い。 「今回の出来事で何を学んだの?」と聞くのがよい。 次の行動を部下より先に上司が示してはならない。
効果
- コミュニケーションをとるきっかけになる。コミュニケーションは長さよりも頻度が重要。定期的に行うことで上司も部下も時間が割きやすくなる。
- 相談。評価を短い間隔でフィードバックできる。
- 部下の状況を上司が知ることができる。
1on1をレベルアップするための手法
- アクティブリスニング : うなづく、相槌を打つ、相手が言った言葉を繰り返す
- レコグニション : 部下のありのままを受け止め、それを相手がわかるように伝える。
- 短くシンプルな、オープンクエスチョン(=答えがYes/No以外になる質問)を投げかけることを心がける。
- 時間は木曜日午後15時〜17時がベスト、次が水曜午後・金曜午後
シャドーコーチング
5人で1on1を実施し、終わった後にコーチ役が残り4人からフィードバックを受ける。
- コーチ :上司役、レビューを受ける側
- クライアント : 部下役
- シャドークライアント : クライアント役になったつもりでコーチの表情・姿勢・ジェスチャなどを観察する。
- シャドーコーチ : コーチ役になったつもりでクライアントの表情・姿勢・気持ちの現れを観察する。
- オブザーバー : 会話を聞き、出てきた言葉を正確に書き取る。フィードバック時の素材を記録する。
フィードバックアンケート
クライアント(部下役)にアンケートをとる。
- 内省効果がでているか
- 有効な気づきが得られているか
- キャリアを描くための支援が得られているか
- 目標達成のための支援が得られているか。
コーチ陣で情報交換する
どんなことを話したのか、どんなアドバイスが効果があったのかを情報交換することで質を高める。
話す際のテーマ例
- キャリアについて
- 3年後どうなっていたいか
- そのために今年、今のチームで何をしたいか
- 目標/評価について
- 目標/評価について悩んでいること・障害はあるか?
- 相談/不安/不満/報告
- 組織について
- プロジェクト/チームについて
- 一緒に働くメンバーについて
- その他
- 製品・プロジェクトをよくするために何をしたいか?
- 自分がリーダーだったら製品・プロジェクト・チームをどう改善したいか
- 今の仕事・環境はあなたや周りのメンバーの能力をちゃんとひきだせているか?
- 与えられた仕事は面白いか
- 今やっていることで1つやめるとしたら何か、一番無駄だと思うことは何か
マジックフレーズ
6つのマジックフレーズでエンジニアの力を引き出せ!「発想を生み出す1on1」とは? – フルスイング – DeNAより。
- 発想を引き出す→先週こんな話したよね
- 発想を引き出す→ニュースで〇〇をやっていたね
- 発想を引き出す→最近何か面白い技術はある?
- 発想を見つける→自分だったらこうするかなあ
- 発想をみつける→それって〇〇ということだよね
- 発想を後押しする→一緒にやってみよう
参考
書籍

ヤフーの1on1―――部下を成長させるコミュニケーションの技法
- 作者: 本間浩輔
- 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
- 発売日: 2017/03/25
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