tuneの日記

アジャイル開発、組織変革、ファシリテーションについて学んだことの記録

あなたのチームのスクラムマスター、「スクラム秘書」になっていませんか?

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概要

「私たちは毎スプリント、スクラムマスターをローテーションします(“We rotate the Scrum Master role every Sprint” – Serious Scrum – Medium)」という記事の中にある「スクラム秘書(Scrum Secretary)」という表現が面白かったので、悪いスクラムマスターの例として流行ってほしい。

詳細

スクラム秘書とは

元記事では下記の悩みに対する解決策として毎スプリントのローテーションが実施されたとある。

No-one wants to be the Scrum Master in our team. That is why we decided to rotate. Every Sprint we switch the Scrum Master role.

私たちのチームでは誰もスクラムマスターになりたがりません。だからローテーションすることに決めたんです。毎スプリントでスクラムマスターの役割を変えています。

リーダーシップを取りたがる人がおらず、スクラムに対する理解が浅く、適切なコーチもいないとこのような発想にたどり着くのでしょうか。 スクラム秘書がいるチームはこんな雰囲気なのでしょう。

  • スクラムを始めた時に年上、役職者、当初のリーダーがなんとなく役割を引き受ける。
  • プロダクトオーナーが上位に置いているバックログアイテムを適当にもらってくる。スプリント内に終わるかどうかはあまり気にしない。
  • 毎朝の朝会の司会を淡々とこなす。各自がやってることを報告してすぐに朝会が終わる。
  • スプリントが始まるとスクラムマスターとしての帽子を脱ぎ、一開発者として黙々と開発に没頭する。チームの状態はたいして気にしない。
  • スプリント終盤になって遅れが出てきても特に何もしない。朝会で「遅れているのでみなさん頑張りましょう」と言うだけ。
  • 決まりなのでスプリントレビューを実施する、もしくは誰も来てくれないのでスプリントレビューをスキップする。たいして盛り上がらず時間が過ぎるだけ。
  • 振り返りはみんながやっているKPT! TRYは「次から気をつける」「次スプリントからはXXXを頑張る」といった気合いTRYが決まる。

当然のことながら、スクラムマスターは誰でも簡単にすぐできる役割ではなく、「メンバ全員スクラムマスター経験者」とかで無い限り、スクラムマスターのローテーションはできません。

望ましいスクラムマスターの振る舞い

スクラムガイドにある責務は下記の通りです。

“The Scrum Master is responsible for promoting and supporting Scrum as defined in the Scrum Guide. Scrum Masters do this by helping everyone understand Scrum theory, practices, rules, and values.

スクラムマスターはスクラムガイドに定義されたスクラムを推進し、助けることに責任を持つ。スクラムマスターは皆がスクラムの理論・練習・ルール・価値を理解することを助けることでこれを実現する。

先に挙げた問題に対し、望ましいスクラムマスターはこう振る舞います。

  • スクラムを理解している人、チームのために働く人をスクラムマスターとして任命する。任命してうまくいかなければ途中で交代する。
  • プロダクトオーナーが上位に置いているバックログアイテムをもらってくる。価値が理解できないもの、着手条件を満たしてないもの、スプリント内に終わらないものは引き受けず、プロダクトオーナーと対応を協議する。
  • 毎朝のデイリーミーティングで「チームが昨日やったこと、チームが今日やること、チームとしての課題」を確認する。朝会とは限らず、チームにとって最も良い時間にやる。
  • スクラムマスターは自分の時間をチームが最大の成果を引き出せるように自分の時間を使う。メンバを助け、チームの問題や障害を取り除き、時に対外的な盾となってチームを守る。
  • 計画に対して順調に推移しているか、バーンダウンチャートなどを使って確認する。遅れている場合は対応策を、スプリント内に作業が終わらない場合はその時点でプロダクトオーナーと相談する。
  • スプリントレビューを実施し、顧客の反応を観察し、プロダクトをより良くするための開発項目・アイデアを引き出す。
  • 振り返りはみんながやっているKPT! だが、全ての課題を改善することはできないため、最も重要な課題1〜2個に絞り、具体的なアクションにTRYを落とし込む。

下記は少しオーバーな表現で示されていますが、チームを守るためになんでもするのがスクラムマスターです。

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ネタ元

medium.com