tuneの日記

アジャイル開発、組織変革、マネージメント、ファシリテーションについて学んだことの記録

CourseraはいかにしてGoogleやFacebookに対抗して才能ある人材を採用しているか

firstround.com

John Ciancutti氏による最高の人材を採用するやり方を紹介した記事の私的まとめです。

はじめに:採用活動の"おわり"を意識する

採用活動の最初期から候補者とのやり取りの間中ずっと、採用活動の”おわり”を常に意識して動く。

候補者もまた、採用責任者・面接するチーム・会社と行うあらゆるやり取りにおいて、働きたい会社であるか評価をしていることを知るべきである。

採用のいかなる段階であっても(コーヒーを飲んでいる間や、インタビューの途中であっても)、不適切でないと明らかになった場合はそこで採用活動を中断する。 信じられないかもしれませんが、上記の対応をとってもCiancutti氏は、候補者と関係を維持できている。候補者はあなたが彼らの時間をムダにしないことを尊重してくれる。

第1段階 : Sourcings

スタートアップが候補者を探すときは外科医のように振舞うべき。 どのような役割を期待しているのか、どのようなスキルが必要なのか、どのような企業がそのスキルを多く保有しているのか、そこでの最高の人材は誰かといったことを考える。

採用活動は見知らぬ人とたくさん会う大変な作業ではない。「あなたが一緒に働くかもしれない、才能ある人材とたくさん会う」のである。 採用責任者がコミュニケーションを始めるきっかけをたくさん作るべき。イベントで話しかける、メールを送る、友人を紹介してもらうなど。 たくさんの人に会いコミュニケーションをとることで、会社のアピールポイントや求める役割についてより深く理解し、勘所がわかるようになる。

候補者を見つけたらメールでコンタクトを取る。 共通の知り合いを引用するなどしたうえで、たくさんの人の中から選ばれた候補者に興味を持っていることが伝わるように書くこと。 採用責任者であるあなたのこと、会社のこと、なぜ相手が探している人材と考えているかの背景を説明する。 メールの最後は具体的な次の行動の約束を促す。たとえばチャットでより詳しく説明する、電話で話す、コーヒーを飲みに行くなどである。

メールが返ってくればまずは良い。 OKをもらえなくても返事がくれば改善点を見いだすことができる。 今は職場に満足していて断られるかもしれないが、違う人を紹介してもらえるかもしれない。 返答率を観測するべき。返答が悪ければやり方を再考する。

OKをもらえたらスクリーニングに入る。 候補者のモチベーションを観測することがスクリーニングでの目的。 相手もこちらを評価しているので、コミュニケーション応答は迅速に取る。もし合わないなと思ったらそう伝えることも早く行う。

相手と話す機会ができたら自分の紹介、会社の紹介を手短に行い、そのあとに相手の背景を探り始める。 相手が自己紹介で何を話すか、何に興味を持っているか、何に気をかけているかなど話すことに注意を傾ける。 話す内容だけでなく、声のトーンにも気を配る。

スクリーニングの最後には現在の仕事のことを聞く。 誰と働き、何が面白く、会社にとってどんな意義があって、なぜそれを始めることにしたのか。この時に「それは自分の仕事ではない」といった回答があればそれは悪い兆候である。 情熱を持ち、今の仕事のすべてを知りたがるような人を雇うべきである。

第2段階 : Coffee

スクリーニングの次はインタビューではなく、コーヒーを飲む機会を設定する。 カジュアルな雰囲気で互いを知る機会を作るためである。 迅速に設定し、時間に遅れず、共通の趣味・共通の知り合い・興味など話題の準備をしておく。これは候補者にあなたのことを好きになってもらうように尽くすためである。

コーヒーを飲みながら相手のキャリアを聞き、相手のモチベーション、過去の決断から何を学んできたかを知る。 コーヒーを飲む別の主要な目的は相手を次のインタビューに連れ出すことである。 もしコーヒーの後でインタビューを断られたのであれば何かまずいことをしたに違いない。

第3段階 : Interviewing

候補者がインタビューにきた時は、採用責任者が最初に会う。 候補者をリラックスさせ、このあとどのようなやり取りがあるかを教える。 誰に会うか、どんなことを話すかなど。採用責任者が候補者の味方であると思わせる。

インタビューの内容・構成はマネージャーの責任で決める。 Courseraの場合は下記の通り。

  1. コーディングテスト:90分間で解く問題を与え、回答を確認し、どのようなことを考えていたのかを確認する。
  2. 文化についてのインタビュー:採用責任者以外の誰かに、会社にフィットするかを評価してもらう。
  3. 1と異なる技術インタビュー:アルゴリズム系か、業務に関するもの。
  4. 最後のインタビュー:フィットするかに関して。ただし最後はリーダーシップを見る。過去直面した問題にどう取り組み、解決してきたかを聞く。

インタビューが終わったらインタビューアーから評価を集める。できるだけ記憶がフレッシュなその日のうちがよい。

インタビューが終わったら、採用責任者は候補者に再度会う。これはインタビューのためではなく、ケアのためである。 候補者はインタビューで疲れ、神経質になっており、会話をすることで元気付け、あなたといることに居心地が良いと思わせる。 ケアを行う以外の効果として、候補者の考えていることを知ることができる。他に選考をうけているのはどこか、その会社の何に興味を持ったのかなど。

「1年後に雇用主となる可能性はどれくらいあるか」は常に聞くこと。 現在の仕事・他にあるオファーなどを含めて自社の提案がどの程度の価値があるのかを推し量ることができる。 また彼らが現在いくら報酬をもらっていて、他からオファーをもらっているかを確認する。 多くの人は進んで話したがらないと感じるかもしれないが、Courseraでは85%以上の候補者が詳細を話してくれた。 これにより、採用責任者と会社は、現在の採用市場の状況がよりわかるようになる。

他の候補者のインタビューが終わったら採用責任者に最終決定をさせる。

第4段階 : The Close

インタビューを行った日に採用する確信が得られれば、次の日をクロージングにあてる。

最悪のケースはミスマッチで終わることである。 他企業に行くことがベストな解であっても送り出してやり、今後も連絡を取り合いたいと伝える。

もしあなたの会社で働くことがベストだと信じるのであれば諦めないこと。 あなたがなぜ今の会社で働き、情熱的であるかを話すことがこの段階ではオススメ。

候補者が心を決める要因の1つは報酬である。 オファーの詳細を記したスプレッドシートを正確に記入し、将来見込みを踏まえた報酬の計算式を設定し、彼らにシミュレーションさせ考えさせる。 同じスプレッドシートに知る限りの競争相手の情報も載せる。 彼らのため多くの足がかりを用意したこと、そして「彼ら自身のために」最善の決断をさせたいことを伝えることができる。

オファー後でも候補者を引きつけたいならば、候補者が会った人たちにコーヒーやランチを1対1でとる機会を作るように奨励する。 しかし数日から1週間の期限を設ける。

採用に失敗したとしても、もっとも重要なことは失敗の原因を理解することである。 大人の態度をとり、今後も彼らと連絡をとりたい希望を伝えることを忘れないこと。 彼らは他の優れた候補者を知っているかもしれない。 1年後、1年半後に再び興味を持ってくれるかもしれない。

おわりに:結果を振り返る

採用において間違ってもよい。優れた採用責任者でも30%は間違えることがある。 どこに問題があって、すぐに修正できるならば問題はない。