tuneの日記

アジャイル開発、組織変革、マネージメント、ファシリテーションについて学んだことの記録

耐えるコミュニケーションからの卒業

はじめに

マネージャーとして多くの人と仕事をし、メンバーが伸び悩んでしまうパターンに「耐えるコミュニケーションに陥る」例が少なからずあるなと感じていました。自社イベントで話す機会があったのですが、同内容をブログでもまとめておきます。あらかじめ断っておくとこれは特定の誰かを非難するものでは無く、多くの人がある特定の事象に関しては陥ってしまうことがあるように感じています。

耐えるコミュニケーションとは?

下記のように思い込んだ行動をとってしまうパターンを指しています。

  • 相手の指摘にひたすら耐える。言われたことだけ対処する。
  • 一定時間耐えたら次の段階に進めると思い込んでいる。

エンジニアだけに限らず、一般的な全ての業種で起き得るのではないでしょうか? 例えば個人的な経験では下記の事象で遭遇したことがあります。

  • レビュー
  • 対外発表
    • 学会、勉強会、カンファレンス、論文
  • 会議資料
    • 事業計画・ビジネスモデルなど

全体的に「答えがない」ものに対して起きがちではないでしょうか?個人的には前職の昇進試験論文がこのパターンにハマってしまいました。毎年試験時期が近づくと終わりのない書き直し練習を嫌がってやっていたのを思い出します。

なぜ耐えるパターンに陥ってしまうのか

直接的な原因は「期待するレベルと本人のレベルに一定以上の差があるから」だと思います。 間接的には「壁を乗り越え方がわからない」「答え・正解がないものに取り組んでいる」「受け手がこういうものだと観念してしまう」ことが引き金になっていると思います。 「自分はXXXに目を付けられているから邪魔されている」「どんな資料を作ってもイチャモンを付けられる」「提出日ギリギリまで直しが続く」とか、覚えがありますよね?

耐えている本人はいろいろと頑張ってはいるものの、耐えることが主目的になり近視眼的な対応・行動が増えます。 また指導をするメンバーも時間が取られ色々と疲れてしまいます。どちらも非効率です。

耐えるパターンから抜け出すにはどうしたらよいか

まずは耐えている本人に状況を理解させることから始めています。 「耐える」考え方をやめさせるために「一定以上のレベルに達したら終わる」ものであることをまず強調します。

つぎに一緒に伴走してあげます。自分でやり方を見つけて欲しいマネージャーの気持ちもわかりますが、「耐え」パターンに陥った人が自力で抜け出すのは困難です。プログラミグならペアプロ・モブプロをする、資料ならアウトライン・構成を一緒に考えるなどを行い、詰まっているポイントを理解し、助け舟を出してあげます。

最後に壁を登り切るまで見届けます。 途中で切り上げさせて別の機会に改めて取り組ませることもできますが、それだと成長はできておらず、問題の先送りにしかなっていません。 この手の問題は一度レベルを上げると下がることがないので、何度もチャレンジさせるより、一度登り切らせた方が効率が良いです。

おわりに

かなりあちこちで観測する事象だと思うのですが、良い名前がついていないために議論されることが少ないように感じています。 もっと良い名前を見つけた方はぜひ教えてください。