tuneの日記

アジャイル開発、組織変革、マネージメント、ファシリテーションについて学んだことの記録

Regional Scrum Gathering Tokyo 2021に参加しました #RSGT2021

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はじめに

2021.scrumgatheringtokyo.org

去年に引き続いて3回目の参加です。去年はスポンサーとして参加しましたが、今年は個人参加です。 Rettyから登壇者が出たので現地で参加する予定でしたが、結果的に3日間オンライン参加としました。 Discordの議論を横目に発表を聞いたり、早朝・深夜に他の参加者と無理なく交流が図れたりしてこれはこれで良かったかなと思っています。

聞いてきた話など

「全社で大規模スクラム(LeSS)移行して1年間」Retty執行役員が全て答えます

結果的に3件プロポーザルを出したのですが、これが一番採択されて欲しかったので決まったときはとても嬉しかったです。 自分も含めたパネルディスカッションにすることも考えましたが、「アジャイルのコミュニティにあまり出入りしていない」「導入推進者(自分)よりも上位の職位の人が語る」方がインパクトも大きく、より本質が伝わるかと思いこのような形にしました。

45分のセッションで40の質問が集まり、多くの人の興味を集められたのではないかと思います。

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Rethink Scrum from a Japanese cultural perspective

23枚目のスライドが好き、「場の文化として生まれ、個の文化のために標準化」この後に続く「空気が場を支配する」の見解も面白かったです。 参考にされた日本と、体系化したアメリカと、そもそもベースが違うし、見つめる人も違うんだから、違った見解を持つことがあるというのはこの先気をつけておきたい。

終盤に出てくる「トヨタのチーフエンジニア(主査)に習いたい」のは自分も考えたことがあるけどまた答えは出ていません。 「大変だから分担して責務持とうぜ」って言うのは楽だけど、主査の凄さって分担しても出せるんだろうか・・・うーん。

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アジャイルを忘れるチーム Unlearn Agile

わかるような・わからないようなスライド37枚目。 チーム・メンバーの直感を信じてそれを大事にすると言うのはわかる。直感はいつもだいたい正しい。 でも「ある程度型やルールに従って直感を養う期間が必要ではないか」とも思う。

LeSSのマップは原理・原則が中心にきて、最低限のフレームワーク、条件によって有効なガイド、導入する現場ごとに試行錯誤してもらいたい実験が囲む形をとっている。LeSS実践者研修受けた時はこれはこれでしっくりこなかったけど、決まりや試行錯誤の数で一番多いものが外側にきて土台になるという3角錐のような立体を思い浮かべるとそういう絵なのかなーと今は思える。

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キョンさんのマップも視点を変えるともっと自分にしっくりくるかもしれない。

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患者さんや顧客に最大の価値を提供するために ~外資系製薬企業が組織全体の変革を目指しアジャイル導入~~

グローバルな製薬会社が、トライアルとして日本から組織・文化変革に挑み、成果が出てきましたと言う事例紹介、今回のRSGT2021講演で一番のお気に入りです。 小さく始める、社内からメンバー(スクラムマスターとか)を募る、広げるときに研修・周知など丁寧に行う、会社の協力を取り付けるなど、これまで多くの書籍・事例紹介・文献で示されている良いやり方が実例を伴って「ここまでやるんだぞ! お前らはやったのか!?」という迫力となって襲いかかってきます。

「弊社もDXを実現し・・・」とか言っている会社は見習うことがたくさんあると思います。資料公開して欲しいなー。

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アジャイルコーチとVPoE、あるいはEMの間にあるもの

RSGTの参加者で「アジャイルコーチ」が増えてきているように感じるのですが、自分は「自社事業」で「当事者として」携わることが楽しいと思って過ごしています。それだけに発表者の悩みがすごくよくわかり、アジャイルコーチとEM/マネージャー/VPoEの違いがよく整理された資料がとても勉強になりました。

期せずしてゆのんさん小田中さんとシンクロ頷き。

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アジャイルコーチの価値に「客観性」があって、これはEM/マネージャー/VPoEと兼務してやることは難しいというのは納得。 社内ではアジャイルに詳しい人としてコーチのように思っているかもしれないけど、自分は主観で動いている「アジャイル助言者」ぐらいなんだと思う。 なので「おかしなことをやっていないか」事例発表を行うことで定期的に外部の目が入るようにしているところがある。

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野中郁次郎スクラム再訪問(Nonaka's Scrum Revisited)

普段使っているスクラムがどういう理論に根差し、効果を発揮しているのかを歴史を追って解説していただき、3日目の基調講演の入りとして最高でした。 SECIモデルとか過去に目にしたことがあった気もするんですが、今回初めてつながりが理解できました。 社内でもスクラムをもっと深く理解できるよう上映会の予定を入れています。

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Discordでの交流・情報交換

3回目の参加ともなると旧知の知り合いも随分増えましたが、今回初めましての方とも繋がることができました。 昨年、何度か登壇していたことで自社の事例を聞かれることもあり、今後も継続して事例紹介を続けていければと気持ちを新たにしました。

今年の感想

「泥臭く、全力で殴り合いながら、より良い何かを追求していく」しかないんだよねという再確認が最後の基調講演でもらったメッセージです。

今年も一層の精進を目指し、日々の実践・コミュニティへの貢献をやっていきます。