2021年4月17日に行われたLeSS StudyでRettyでの大規模スクラム事例紹介をしてきました。
先月のatama plusさんの事例紹介に続いての事例紹介でしたが、多くの方に興味を持っていただいて参加いただき、自分たちの取り組みを整理する機会をいただくことができ感謝しております。
1時間半の長丁場でしたが、参加してくださった皆様、遅くまでお付き合いいただきありがとうございました。
反応など
Discordで頂いたQ&A
Q: チーム横断のリファインメントがどんな感じのことをするのか
A : 複数チームでのバックログリファインメント - tuneの日記
Q: 技術負債はどこからあげられてバックログに追加される感じですか?
A: エンジニアが積むことが多いです。ユーザー観点でも影響がある場合は企画担当にお願いすることもあります。
Q: レビュー→振り返り→プランニングの順番を変えている(こだわっていない?)ところはどういった経緯をたどったのか
A: スプリントレビューを朝一(11:00〜12:00)にしているのですが、メンバーのお昼休憩時間が揃いづらく、振り返りを優先するとプランニング開始時間が安定できないからです。食にこだわりがあるメンバーが多いからか、遠くのお店へ外食し休憩時間が長くなることがよくあります。振り返りを先にした方が良いと私も思うのですが、特に問題も起きていないためチームに委ねています。
A: toCとtoC、Webとアプリのように領域をまたがる大きな機能で実装箇所を一箇所に統一したり、ボトルネックになっている箇所を協力して解消したりという動きは増えました。
Q: 1チームスクラムに比べてPOと開発者の距離が遠くなったりはしませんでしたか?
A: 企画者と開発者の距離が遠くなったというのはメンバーからも上がっており把握はしています。LeSS導入前は一つの組織で以心伝心で動けるところがありましたが、企画者がWhy・開発者がHowに責任を持つにはそれなりの距離を保ち、議論する風土も必要ではないかなと思い、そちらを育くむように心がけています。
Q: POが歩き回ってコミュニケーションとのことですが、オンラインだと歩き回って会話できない気がしますが、オンラインならでは工夫ってあったりしますか?
A: Slackのチャンネルをよく見て、気軽に話しかけているのを見かけます。
Q: コロナ禍で延期しなければ、大物2つはLeSSのままやっていたんだろうか?
A: LeSSでやりたかったですね。スピードは出せたけど属人化はしちゃったよねという反省があり。
Q: PdM チームは、何チーム何人くらいですか?
A: 3〜4人ぐらいです。目的別に6チームぐらいあります。
Q: プロダクトロードマップとPOの関係性はどんな感じですか?(POが決めている?)
A: プロダクトロードマップはPOも入って議論していますが、作成は別のPdMが主導しています。初めての試みなのでどういう関係が良いのか自分たちも模索中です。
Q: 複数のスクラムチームを立ち上げるにあたり、見本となるスクラムチーム(1チーム?)があったからうまくスケールできた、のでしょうか?
A: スクラムチームとしてうまく回っている時の感じがわかるメンバーがいた方が良いと思います。そうでないとスクラムの問題なのか、LeSSの問題なのか切り分けができないので。
Q: 組織目標というのはビジネス目標ですか?
A: エンジニアリング部門はサービス開発・運用に責任を持つ部門ですので「インシデント数」「着手からリリースまでの期日」「サービスパフォーマンス」などの数値を目標として設定しています。
Q: インフラ的なメンバは各フィーチャーチームにそれぞれいる感じですか?それとも横断的ですか?
A: 横断です。フィーチャーチームのメンバーと混在で24時間サービス監視・アラート対応を行うオンコールチームを組織しており、協力してサービス改善に取り組んでいます。
Q: アウトカムかどうか検証するときに、どうやってされていますか?
A: 自分たちも模索中でプロダクトマネジメントを読んだメンバー同士で「それってビルドトラップでは?」「それはアウトプットでは?」「アウトカムはこういうやつでは?」と議論しながら良い表現・やり方を考えています。
Q: 導入期の自分に一つ助言できるとしたら、どんなことを伝えますか?
A: 2社目の導入なので特に焦りや苦労もなかったのですが、初めて取り組む人に伝えるなら成果が出るのに時間がかかるので「焦るな」でしょうか。
Q: スプリントゴールの話がありましたが、どうやって決めてますか?チームがたくさんあると同時に進むものも多くて難しく苦戦しています。。。
A: 雑多なバックログアイテムをカバーするような表現を昔はしていましたが、最近は主要なもの(上位にある、開発規模が大きい)物に絞り、目的やアウトカムを意識した表現で書くようにしています。
Q: ふりかえりはKPTが多いんですかね?
A: 私がコーチとして教えたのはKPTだったんですが、メンバーが自主的に勉強・いろんなやり方を取り入れています。 現在では「よこなーる」を取り入れているチームが多いです。
A: 自分がマネージャーを担当するメンバーの人数が増え、1人でマネジメントできる上限を超えてしまったため、2021年1月にマネージャーを増やし2人でtoC Web開発を見る体制になりました。 マネージャーが増えた際、組織名を考える必要があったのですが、「人数が増えただけで対等の立ち位置」「マネージャー(評価者)が違うだけで、協力して開発にあたる」ことが表現できるいい名前がないかなーと悩んでいました。
「Web開発第1 / 第2」を提案したのですが、堅すぎてNGでした。 「Webメディア開発(フロントエンド寄り)」と「Web基盤開発(バックエンド寄り)」を次に考えたのですが、メンバーが期待される役割を意識してフィーチャーチームの良さが消えると思いやめました。 他社の例に良いものがないかと探した結果、エムスリーさんの「Unit」に落ち着いています。今の私の正式な役職名は「Retty株式会社 エンジニアリング部門 Web Unit1ミッション マネージャー」です。
Rettyさんの勉強会が無茶苦茶面白くて感激している。あとだいぶ生々しくて燃える。
— ナカミチ #BacklogWorld2021運営委員長 (@ici_mici) 2021年4月16日
滑り込み参加!/ LeSS Study Retty 事例講演 「LeSS導入から1年半、Rettyが経験した改善と悩みについて」 https://t.co/3FonHEqmNA
— toshi ohtomo (@toshiotm) 2021年4月16日
発表資料で参照した参考文献
- 「1プロダクトをみんなで作る!」Rettyでの大規模スクラム(LeSS)導入記 - Retty Tech Blog
- Rettyの開発組織をぶっ壊して、LeSSを導入した話をPO視点で書きました|のぐちひろき|note
- 「全社で大規模スクラム(LeSS)移行して1年間」 #RSGT2021 での質問に、Retty執行役員が全て答えました - Retty Tech Blog
- もりあがるスプリントレビューをしよう / Let's organize a energetic sprint review - Speaker Deck
- Go To Eatキャンペーンでの神対応はどのようにして生まれたか? Rettyのプロダクト開発と組織改革の裏側 (1/3):ProductZine(プロダクトジン)
- Go To Eatキャンペーンを支えたプロジェクトマネジメント / GtE Project Management - Speaker Deck
- PMが「開発を巻き込んだ施策相談会」で工夫したポイント LT - Google スライド
- プロダクトマネジメントをRettyの開発組織にインストールした話〜PO祭り 2021 Spring〜/Installing Product Management in Retty - Speaker Deck
- スクラム開発におけるマネジメント、目標設定・フィードバック・評価 / Management in Scrum - Speaker Deck