tuneの日記

アジャイル開発、組織変革、マネージメント、ファシリテーションについて学んだことの記録

カジュアル面談で話すとよさそうなこと

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Photo by Christina @ wocintechchat.com on Unsplash

はじめに

先日heyさんの採用イベントで公開カジュアル面談をさせていただきました。

hey.connpass.com

「できるだけ本当のカジュアル面談に近づくようにやりたい」というhey 勝亦さんの希望もあり、事前に打ち合わせは特にせず、「こいつらヤラセっぽいな」と思われないように深く切り込むような質問もときおり混ぜ込みました。もちろん事前にheyさんの公開資料を読み込んで考えてきたものです。

せっかくなので「自分がカジュアル面談を受けるならこういうことを聞くだろうな」と考えたこと、逆に普段実施する側で「これは必ず説明するように心がけていること」をまとめてみました。 Googleで「カジュアル面談 質問」と検索すると例がいくつも出てきますが、大抵は公開されている会社情報を調べるとわかることばかりなので、直接聞かないとわからないことを聞いた方が良いですよね。

自分ならこんなことを聞いてみたい

事業構造、何でお金を稼いでいるか。

創業時の事業や広く認知されているサービスと、実際にお金を稼いでいる事業・サービスが異なる会社がよくあるなと思っています。 会社における売り上げ比率から社内のパワーバランスや、今後力を入れていく開発領域も推測できると思います。

何で収益を上げられているのかわからないけど積極的に採用を行なっている場合、調達した資金を燃やしながら人員を拡大している可能性があります。 広告事業ができる前のGoogleも採っていた戦略ではありますが、Googleになれなかった会社の方が圧倒的多数ですので、目処・戦略はついているのか、いつまで挑戦できる余力が残っているのか、リスクとリターンを確認しておくと良いと思います。

募集の背景

「〇〇で有名なあの人と一緒に働けるチャンスかもしれない」と思わせる募集要項がはっきりした求人をたまに見かけることがありますが、憧れのその人が退職するために代わりの人材を募集していることがあります。「これからXX人材を集めて業界内を引っ張っていくんだ!」とピュアに想像せずに、きちんと確認した方が良いと思います。

募集の背景をはっきり答えられない場合は採用の頭数を追っている可能性が高いと思います。あなたの経歴やスキルはそこまで重要ではなく、他の誰かでも代替はきくでしょう。

競合との差異

競合が全くない会社・事業領域はまずないと思います。 競合を意識し過ぎているのもユーザーを見ておらずよくない兆候ですが、意識しなすぎなのも自分たちのやりたいことをやっているだけでまずいサインかもしれません。

業界の2番手企業が1番を追い抜かすことはほぼなく、逆転にはなんらかの競争軸の変化が必要なので、何を差別化ポイントと考えているのか説明してもらうと良いと思います。営業力や気合いが答えとして出てくる場合は多分逆転は望めないでしょう。

今の会社の課題

「人が足りない」みたいな話しか出ないと、見えにくい・隠れてしまっている本当の問題に向き合えてないのではないかと思います。 ここをはっきりと答えてもらえると、自分が入ることでどう貢献できるか、過去の経験がどう生かせるかといった話で盛り上がれるはずです。

事業成長の先に何が起きるか

今伸びている事業があってもいつか成長の終わりを迎えます。その時に会社はどう動くのでしょうか? 国外を目指す、新規事業を立ち上げる、M&Aを実施するなど考えられますが、会社の打ち手は自分の考え方とあっていますでしょうか?

その会社で働くことで何が得られるか

せっかくなので他の会社では得られない貴重な経験があると良いですよね。 すぐに答えるのが難しい質問かと思いますが、すぐに答えてくれるようだと普段から自社の強み・差別化を意識している証拠かと思います。

説明するように心がけていること

会社でできること、できないこと

事業構造や経緯に起因する正解があるわけではない事項は、最初に確認しておいた方が双方時間を無駄にしなくて良いと思います。

  • 会社が一番重視していること。ユーザー、売り上げ、事業成長など。
  • 開発スタイル。個人で行うのか、チームで行うのか。
  • 開発領域。フロントエンドからインフラまで広く触れるのか、職能・特定の機能に限定されるのか
  • 新規技術の採用。取り入れやすいか、しにくいか
  • 新規事業の立ち上げ。携われる機会は多いか、少ないか。

働き方、会社の制度

自社が裁量労働制なのでフレックスとの差異を必ず説明しています。 また裁量労働だと勤務時間の懸念を持たれるため開発のサイクル、1日の流れを紹介しています。

コロナ禍になってからはリモート勤務の割合、緊急事態宣言中の勤務、コロナが落ち着いた後はどうなりそうかを話すことが増えました。

面談相手の質問に時間が許す限り全て答える

「会社にいい印象を持ってもらう、願わくば選考に進んでもらう、すぐに選考に進まなくても転職の機会にまたコンタクトを取って欲しい!」が面談する側の気持ちなので、どんな些細なことでも相手が知りたいことは答えるようにしています。

おわりに

上記の話、カジュアル面談を面接の1歩目として考えている会社だとウケは悪そうですが、「カジュアル面談」だしこれくらいは答えてくれる会社が多いといいなと思っています。