tuneの日記

アジャイル開発、組織変革、ファシリテーションについて学んだことの記録

XP祭り2019で「カンバンに求めたもの(LT)」を話してきました

speakerdeck.com

はじめに

XP祭りでLT登壇申し込みをしていたので、会社で改善を続けているカンバンについて話してきました。

xpjug.connpass.com

Twitterでいただいたコメント

物理カンバンをカスタマイズして磨いていこう

ツールから入るとツールの使いこなしに頭がもっていかれるので物理から始めるのオススメです。

物理カンバンファンの声

私も物理カンバン派です。 とはいえそこで思考停止しているともっと良い可能性も潰しているんじゃないかなとも最近思っています。

電子カンバンが求められる背景

リモートよりも「書けない」が真剣に悩むようになったきっかけですね。 リモートだけが原因なら写真にとって共有するというやり方も選べるので。

おすすめの電子カンバンツール

情報ありがとうございます!

その他

スクラムイベントやワークショップの写真は積極的に残しています。こういう時に便利ですよー

トヨタ生産方式

トヨタ生産方式――脱規模の経営をめざして

トヨタ生産方式――脱規模の経営をめざして

自分が生まれる前に出版された本ですが、内容はちっとも色あせておらず、アジャイルやリーンに繋がる重要な考え方が余すところなく説明されていました。多くの人がオススメしている有名な本ですがもっと早くに読んでおくべきでした。

トヨタ生産方式の基本思想

「徹底した無駄の排除」とそれを貫く2本の柱がある。

1. ジャスト・イン・タイム

ジャストインタイムとは組み付けに必要な部品が必要な時にその都度、必要な数だけ生産ラインの脇に到着する状態を指す。 自動車の生産は部品数が膨大であり、また生産計画も刻々と変化する。そのため中央に情報を集め全体を管理するようなやり方ではジャストインタイムの実現はできない。

ジャスト・イン・タイムを実現するには、物の運搬順序を逆にして考える。前工程が後工程へ物品を渡すのではなく、後工程から前工程へ必要な物品を引き取りに行く。前工程は引き取られた分だけ生産を行う。こうすれば一番最後の工程の生産計画に紐づいて生産の流れが同期され、ジャストインタイムが実現できるようになる。

2. 自働化

「機械に生産の良し悪しの判断をさせる装置」を付加することで、不良品の生産を止めるようにする。 すると正常時に人を機械のそばに張り付けておく必要がなくなり、異常時のみサポートすればよくなる。1人が複数の機械を見ることができるようになり、少人化が実現できる。

トヨタ生産の目的

「原価の低減」を実現するためである。

生産数や生産効率を目標にしていると、見かけの能率アップで満足してしまうことがある。例えば1日の生産数を上げたり、大型機械を導入して自動で作れるようにすることがこれに当たる。必要以上の生産を行うと倉庫や倉庫番が必要になり、大型機械を導入しても人が張り付いていなければ人件費は変わらない。かえって倉庫の費用、機械購入費、人件費が増え、原価は上がってしまっている。

生産目標数は顧客の購買活動によって決定し、企業が自主的に決めるものではない。そのため増産だけでなく減産にも耐えられるシステムでなければならない。

生産の流れを作る

ジャスト・イン・タイムを実現するための生産指示として「カンバン」を用いるが、利用の前提条件として「生産工程ができるだけ流れるようにする」ことが不可欠である。

そのためにまずは生産を平準化する。仕事の「標準作業」を定義し、生産ロットを小さくしても流れるようにする。 一人の作業者が複数工程を担当できるようにし、多能工を育てる。

LeSS Study LeSS本読書会 第7回 実際にワークショップやってみよう会

LeSS Study LeSS本読書会 第7回

LeSS Study LeSS本読書会 第7回 実際にワークショップやってみよう会 - Less Study | Doorkeeper

今回は大崎、オージス総研さんの会議室での開催でした。

いつもと異なり、大規模スクラム本で紹介されていた「システム思考」と「フィーチャーチーム導入マップ」のワークショップをやってみることが目的でした。 「フィーチャーチーム導入マップ」は参加者の実際の事例をベースにしているため参加者限定の非公開でした。

気温とビールの売れ行きについて

気温とアイスはシステム思考を最初にやってみる上でのいい事例だそうです。この日はビール好きが多いのかビールになっていました。

チームをスケールさせる

調整ごとを減らし、教育を充実させ、お金も稼ぐというある意味当たり前の結果に。

ベロシティを上げる その1

クソコードはいつも問題になりますね。

ベロシティを上げる その2

ふりかえりやコーチが関わる時間が入っているのが面白いかと。


大規模スクラム Large-Scale Scrum(LeSS) アジャイルとスクラムを大規模に実装する方法

大規模スクラム Large-Scale Scrum(LeSS) アジャイルとスクラムを大規模に実装する方法

LeSS Study LeSS本読書会 第6回

LeSS Study LeSS本読書会 第6回

LeSS Study LeSS本読書会 第6回 - Less Study | Doorkeeper

今回は新宿、グロースエクスパートナーズ株式会社 イベントスペース「G's LounGe」での開催でした。

Q: LeSS Hugeでエリアを分ける背景の説明に「チームが集中力を失う」とあるが、エリアを分けないLeSSでも起きうる問題なのでは?

A: 起きうる問題だが、結局誰もがやらなくてはならず問題になりにくいのかも。または プロダクトが小さいうちはエリアも小さく、少しは耐えられるという想定があるのではないか。

Q: LeSS Hugeを導入している会社・組織はある?

A: 海外ではあるようですが、勉強会参加者の知る限り国内ではなさそうです。 日本でLeSSを導入していると公言している会社ですとYahooやGROOVE Xが挙がりましたが、LeSS Hugeに取り組んでいるという話は聞いたことがないとなりました。

Q: マイクロサービスとLeSSの相性はどうなのか?

A: マイクロサービスごとにチームを構成していなければ両者は矛盾していない。

マイクロサービスは設計・アーキテクチャの話、スクラム・LeSSはプロセスの話。 責務をシンプルにしたサービスにすることでサービスを増やしたり・作り直したり簡単にできるようになるのがマイクロサービスのメリット。 スクラム・LeSSは多能工化したチームによって、フロー効率改善が期待できるメリットがある。

Q: コンポーネントとフィーチャーの違いがわかりにくい。予約はどちらか。

ものによりそう。

  • ホテル予約システム→フィーチャーではないか
  • カレンダーの会議予約システム→コンポーネントっぽい

単独で利益があげられたり、顧客価値が訴求できるならば独立したプロダクトであり、フィーチャーになるのではないか。

Q: チームで多能工化を目指すが、現実には専門家思考の人もいる。チームに加える時に考慮している事項はあるか?

特に何もない。尖った能力を持つ人もうまく組み合わせてクロスファンクショナルなチームを構成する。 仕事の配分はチームでやりくりしてもらう。

とはいえ、圧倒的な専門性を持つ人がチームで能力を発揮できないケースもあるので、その場合はチームから外して別の仕事を与えることも考える。

Q: うちのチームは顧客と会いたがらないのですが…

A: 組織が顧客に会わせる目的を「仕様を明確化して文書を作成する人」としか扱っていないのではないか?

または顧客のことを理解する手助けを組織として提供していないのではないか?

Q: 典型的なLeSS Huge組織において、スクラムマスターはどこにいるのか?

A: フィーチャーチームにいる。

書籍の例では教育・コーチングチームがあるが、ここに所属している場合もあるかもしれない。 能力の高いスクラムマスターや、外部コーチがここに入るのかも。

書籍の「典型的なLeSS Huge組織」はガイドであって、「こういう組織にしなければならない」というものではないので、自分の組織・メンバ能力にあったやり方を見つけていけば良い。

Q: 自己管理チームとはなにか?

https://less.works/img/management/xtypes_of_teams.png.pagespeed.ic.3OY-9MF31j.png

A: 上図の左から2番目。

  • マネージャー主導チーム
  • 自己管理チーム←LeSSはここ、スクラムもここ
  • 自己設計チーム←外部に働きかけができて、組織変革ができるチームのこと。
  • 自己統治チーム←アジャイルスクラムの対象外、取締役会とか。

Q: システム思考とはなにか?

A: 因果関係を整理したシステムとして事象を捉え、俯瞰した視点で問題解決にあたる考え方。 ロジックツリーでも問題分析ができるが、個別の問題だけを解決しても実際には要因間に因果関係があるので本当に解決できるとは限らないという考えに立っている。

枝廣 淳子さん、小田 理一郎さんが翻訳・監修で入っている本がおすすめ。

学習する組織――システム思考で未来を創造する

学習する組織――システム思考で未来を創造する

「学習する組織」入門――自分・チーム・会社が変わる 持続的成長の技術と実践

「学習する組織」入門――自分・チーム・会社が変わる 持続的成長の技術と実践

世界はシステムで動く ―― いま起きていることの本質をつかむ考え方

世界はシステムで動く ―― いま起きていることの本質をつかむ考え方

勉強会時に参考にしたブログ


大規模スクラム Large-Scale Scrum(LeSS) アジャイルとスクラムを大規模に実装する方法

大規模スクラム Large-Scale Scrum(LeSS) アジャイルとスクラムを大規模に実装する方法

アジャイル・スクラムとHR・採用を組み合わせた用語の整理

アジャイルHR」とか「スクラム人事」とか、アジャイルソフトウェア開発から離れたアジャイルスクラムを冠する用語をよく聞くようになったので整理のためにまとめてみました。

アジャイルHR / アジャイル人事

ハーバードビジネスレビューでも特集が組まれたことのある用語。日本だけでなく世界でも使われている。


www.nikkei.com

従来の人事管理は任務遂行を重視しがちだが、アジャイルな人事管理は専門知識の育成、コラボレーションと迅速な意思決定に重点を置いている。マネジャーは、コーチングに優れているサーバントリーダーとして位置づけられる。 そのほか、(1)従業員に絶えず学びの場を提供する(2)従業員は絶え間なくフィードバックを受ける(3)成功指数は従業員の満足度と定着率、イノベーションを生み出しているかで決まる――などがアジャイルな人事管理の特徴だ。

「ソフトウェア開発で先行していた組織をアジャイルにする仕組みづくりを人事で取り入れていく動き」と考えて良さそう。

スクラム採用

herp.cloud

株式会社HERPが提唱する概念で日本だけの用語と思われる。 "scrum recruitment"でGoogle検索しても言及しているサイトは見当たらない。

この言葉は、チーム開発の手法としてインターネット系企業で広く取り入れられている、スクラム開発と同様に、共通のゴール(採用目標の達成)のために、全社員が一丸となって採用活動に取り組むことを意図して、弊社がネーミングしたものです。そしてスクラム開発の思想である、経験に基づくアプローチをベースに、現れた課題に柔軟に対応していくことを基本原則とする点も、同様にスクラム採用に欠かせないポイントだと考えています。

medium.com

ソフトウェア開発のスクラムを参考にしたようだが、「スクラムを使って人事・採用を改善する」ではない。

下記3つがスクラム採用のポイントらしい。

  1. 権限移譲
  2. 成果の可視化
  3. 採用担当のPM化

アジャイル開発・スクラムのプラクティスを使ったバックオフィス・採用の改善

アジャイルソフトウェア開発フレームワークスクラムそのもの、またはその中のプラクティスを活用してバックオフィス・採用の改善するアプローチ。ヴァル研究所とガイアックスの事例をよく聞くが、他の会社でも実は取り組んでいるのかもしれない。

www.slideshare.net

speakerdeck.com

qiita.com

speakerdeck.com

seleck.cc

Butterfly Effect #1 に行ってきました

www.youtube.com

Butterfly Effectとは?

「すごい人が話を聞きたい人の話はすごいはず」 という発想で、毎回違ったゲストを呼んでパネルディスカッションをするというイベント。

の1回目に行ってきました。ブログ枠での参加でしたので、楽しかった記録を書き留めておきます。 笑っていいとも!のテレフォンショッキングを模した構成になっており、初回ゲストは最近チーム転職で話題となった及部さんでした。

以下当日のレポートです。

聴衆のヒアリング

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入場直後のシーン、ライガーのマスクつき

今日はプロレスとのことでマスクをかぶった入場でした。

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Mentimatorを使った来場者の興味の可視化

はじめにSlidoを使った来場者のヒアリングがありました。

ざっくりまとめるとこんな属性の方々が集まったようです。

  • エンジニアが多い
  • 及部さんを知らない人は8人
  • 転職話を聞きたい人が多い

及部さんの自己紹介

  • 楽天に新卒入社→デンソー MaaS開発部に今月転職
  • アジャイル開発・チーム開発の文脈で登壇したり、モブプロの解説などを執筆したりしている。

なぜ今日はプロレスだと思ってきたかというと、攻めと受けがあるからだそうです。いい話を聞いて、いい質問をしてほしい。

  • 受け:聞く:インプット
  • 攻め:話す:アウトプット

パネルディスカッション

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パネルディスカッションのお題

Sli.doの方が多かった気がしますが、こんなものも用意されれていました。


Q: 転職の経緯は?

A: 仕事の切れ目が2019年4月にあった。 面白そうだなと思って社内外含めて提案を投げてみた。 結果チーム転職できた。


Q: 転職の理由は?

A: 前の会社が嫌で転職したわけではない。人事のヒアリングにもそう答えた。 面白そうなオファーをもらった & 10年でちょうど良い区切りだと思った。


Q: どのくらいオファーきた

A: 数は覚えていないがカンバンで管理していた。TODO / DOING / DONE / PRAY(お祈りorz) チーム転職をGithubで書いていたので、Issueを作ってオファーしてくる会社もあった。


Q: 決め手は?

A: 一番読めなくて、公表したときに面白そうな所を選んだ。裏ではチームで相談している。 及部さんが愛知県出身なのでデンソーのことは以前から知っていた。


Q: チームで企業という考えは?

A: チーム内で熱い想い・プロダクトオーナーシップを持っている人がいたらやったかも。今回は誰かと組んでやりたかった。


やめるときに全社にメールを送ったら面識のない人から「楽しそうにやっているなと思っていました」と返信があった。 何でも楽しもうとしている。

楽しい・楽しくないの2択だと批評家のようになってしまう。 「楽しむ」だと自分でなんとかする余地が生まれ、なんでも楽しめるようになるのでは。


Q: やばい上司の対処法がある?

A: 上司に遠慮はしていない。1on1で上司の相談に乗る。

初めての上司と会うときは理想の上司・部下の関係を考えて、入り方に気をつける。 自分が上司の下に入ろうとすると、上司も上からなんとかしようとしないか。 対等にコミュニケーションを取ったほうが良い関係が築ける。


Q: 今日はなぜ獣神サンダー・ライガーなのか?

A: 今年はライガー推し、来年引退するから。


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チームメンバによる及部さん評価

Q: チームメンバーに及部さんを評価してほしい。

A: チームに被害が出ないようにマネージャーとしてうまくやってくれていた。一緒に仕事しやすい環境を作ってくれる。


Q: 目標としている人は?

A: たくさんいる。尖ったスキルを持つ人をそれぞれ評価して学びたいと思っている。 あとはプロレスラーの棚橋弘至。何かを長く支えている人は自分にない部分だと感じて尊敬している。


Q: いいPOの定義は?

A: あるプロダクトのことが大好きな人と仕事をしたときは背中を預けるような働き方ができてよかった。


Q: マネージャーとしてのファイアウォール

A: リファクタリングに近い。上司とのコミュニケーションパスを疎結合にする。


Q: 上司からのマウンティングはなかったのか?

A: された経験あり。やられたらやり返すw 2〜3年目に「やめてもいいや」と思うようになり、そこから色々やり始めることができた。ダメなら転職しようと。 何かの発表で社長いじりをしたことがあったが、意外と何もなかった。壁を作っているのは自分なのではないか。


Q: 男性の育児休暇

A: 育児は仕事の比じゃないほど不確実性がある。割り込みが多い。育児は3時間スプリントでスプリント期間が毎回変わる。


Q: 及部さんの1日/休日の過ごし方

A: 家事が多い。平日できないので。あと筋トレ。


Q: アジャイルリーダーサミットで敢て否定したアジャイルラクティス

A: モブプロを初めて作業分担が当たり前だと思っていた先入観が壊れた。今の当たり前ももっと良いやり方があるかもしれない。 チーム固定化 → 気軽にいいチームが作れたらもっと良いよね。 普段からいいと思っているものを挙げ、斜に構えて批評するやり方は取り入れてみてもいいかもしれない。

型を学ぶとそれが良いと思ってしまうことがよくある。 もっと改善する、もっと上を目指すということを忘れてしまう。


Q: 一番楽しかったこと、これから楽しみなこと。

A: MaaS、自動運転の世界をなんとかしてやりたい。


次回のゲスト

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名古屋からの中継で参加されたkyon_mmさん

ライバルでもあり、友達でもある。@kyon_mmさんだそうです。

感想

今年の頭ぐらいから勉強会の立ち上げを色々と悩まれて準備されていたのだなと感じる会でした。 次回はこれから調整とのことですが、ここから始まった輪が予想外の広がりを持っていくと良いですね。

「スクラム現場ガイド」を読みました

スクラム現場ガイド -スクラムを始めてみたけどうまくいかない時に読む本-

スクラム現場ガイド -スクラムを始めてみたけどうまくいかない時に読む本-

私がスクラム開発を始めて3年弱。この本は「1年目にスクラムアジャイルで『どんなことが起きるか』についての本」との位置付けですが、会社でこれからスクラムを学んでいこうとする仲間にオススメする前に自分でも読んでみました。

大半のエピソードは自分でも体験したり、よその事例で聞いたことがあるものでしたが、それでも心に残るものがありました。ある程度スクラム開発を経験した人なら誰でも学びがある、オススメの本です。

以下私の印象に残ったエピソードのご紹介です。

2章 仲間とともに旅立つには

アジャイル開発を知り、新プロジェクトでスクラムを取り入れようとした主人公が上司のバックアップは得たものの、仲間探しに苦労する話でした。上司は主人公の支援は約束したものの、チームメンバは主人公が自ら集めることと伝えます。読んでいて「なんでメンバーをアサインしてあげないのかな」と思いましたが、「新しい取り組み・変化に前向きな人を集めないとうまく行かないからだろうな」と、当初は思っていました。

主人公は休暇中にアジャイル開発に関する書籍を読み漁って知識を得たことになっていますが、誘ったメンバには即座の参加を要求していました。これに対して上司が主人公がアジャイル開発を受け入れるように変わっただけの時間が他のメンバにも必要だと諭します。実際のプロジェクトではスムーズな立ち上がりを目指すあまり、「やりながら良さを勉強してよ」というアプローチを取りがちですが、きちんと理解するだけの猶予と用意を与えることは大事だよなと感じました。

21章 文化の衝突

すでにスクラム開発が軌道に乗っているチームに、リソース増強のためチーム文化に合わないメンバーがアサインされるとう話でした。チームは新メンバーを頑張って受け入れようと対話を重ねたものの、新メンバーはスクラムのやり方をどうしても受け入れず、最終的にスクラムマスタはメンバーをチームから隔離し仕事を与えず、元のメンバだけでプロジェクトを進める決断をします。

プロジェクト終了後に上司から呼び出しを受けた主人公は追加リソースを活用してプロジェクトを進めなかったことについて叱責されますが、プロジェクトの完遂をリスクに晒してまで仕事を作ってやるべきだったのかと逆に反論します。スクラムに後ろ向きなメンバがいつまでもチームに残るのは、現実でも割とよく直面する悩みだと思います。

29章 巨大なバックログの見積もりと優先順位付け

スクラム開発をこれから始めようとするプロジェクトが巨大なバックログの作成まではこぎつけたものの、優先順位づけも見積もりもどこから手をつけて良いか分からず途方にくれるという話でした。これに対して経験豊富なコーチが以下の手法を提案します。

  1. 広く壁を使える場所を確保する
  2. チームにバックログの項目を5つずつ渡し、開発規模の順に左(開発規模が小さい、作るのが簡単)から右(開発規模が大きい、作るのが大変)へ並べてもらう。最終的に全ての項目を並べてもらう。
  3. チームに見積もり規模が変わる間を決めてもらう。ストーリーポイントが1と2の間、2と3の間、3と5の間、5と8の間、8と13の間に線を引く。
  4. ステークホルダーを全員呼び、線で区切った枠内で優先順に上下で並べてもらう。枠外を超えた移動は無しとする。
  5. 開発規模が小さく、優先順位が高いものをバックログの上位に置く。開発規模が大きく、優先順位が高いものは早めにバックログリファインメントに回して分割を試みる。

見積もりの数値はいつも問題になりやすいと感じていましたが、このやり方ならスクラムを始める時でも相対比較ができ、かつ数字を意識する必要がないのですぐにでも取り入れようと思いました。* The Big Wall: Prioritizing and Estimating Large Backlogs - Mitch Lacey & Associates - Scrum and Agile Trainingという手法だそうです。