tuneの日記

アジャイル開発、組織変革、マネージメント、ファシリテーションについて学んだことの記録

「スクラムマスターは真のリーダーである」によって生じそうな誤解

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Photo by Markus Spiske on Unsplash

はじめに

スクラムガイドが更新されました。 変更について色々と考察・議論を見かけますが、個人としては「スクラムマスターは真のリーダーである」が引っかかっています。

スクラムマスターとサーバントリーダーシップ

自分の理解ではスクラムマスターは役職では無く役割でした。プロダクトオーナーも役割、開発チームも役割であって、上下関係のない対等の3者が存在することでパワーバランスが保たれ、プロダクトに向かう一致団結する力が生まれていたのだと思っています。

スクラムマスターとしてサーバントリーダーシップを発揮して欲しい」というこれまでの説明は納得感がありました。 自分がスクラムマスターを人にお願いする時にも「リーダーをお願いしているわけじゃ無いよ」「チームをまとめて、サポートしてあげて」と説明するようにしていました。

多くの組織にとってリーダーは肩書き・役職

元の文章にきちんとあたると「チーム・上位組織に奉仕する」とサーバントリーダー湿布の流れを汲む説明が記載されているのですが、リーダーと呼称してしまうことで違う問題を引き起こしてしまう気がしてなりません。

日本の組織の多くは管理職になる前のステップに「リーダー」という肩書き・役職を置いていることが多いと思います。 リーダーが一人選ばれ、メンバーがそれに従い、プロジェクトを進めるという構造です。 リーダーは出世街道に乗っている人だったり、次の管理職候補でだったり、チームを技術的にも精神的にも支えている人です。 従来からあるリーダーの肩書きを付け替えてスクラムマスターに仕立て上げることも少なくないようです。

スクラムマスターは真のリーダーである」という短いメッセージと、「リーダーはプロジェクトをまとめて引っ張らなければならない」という従来の発想が結びつくことで、リーダーの「導いてあげないといけない」いう誤った責任感、メンバーの「リーダーに任せて後をついていけば良い」という誤った認識を増長してしまうのではないかというのが私の懸念です。 コミットメントに責任を感じないスクラムマスターは問題ですが、とはいえ真のリーダーという言葉を引っ張り出してくることで意識してもらうのは短絡的かなと感じました。

おわりに

ガイドなのに解釈について皆が議論しているのが面白いなとブログ・Twitter・勉強会の様子を眺めていて感じました。 ガイドというよりも教典に近い位置付けをしている人が多いのだと思っています。