tuneの日記

アジャイル開発、組織変革、マネージメント、ファシリテーションについて学んだことの記録

Agile Japan 2020でRettyの開発文化の変革の話をしてきました #agilejapan

はじめに

Agile Japan 2020の公募に応募したのが確か2020年の初春。5月の物理開催がキャンセルされ、11月のオンライン開催となり、ついに参加が叶いました。

応募した頃は昨年のAdvent Calendarで取り上げたLeSSの導入事例をもう少し肉付けして話そうかと思っていました。

しかし採択の結果20分枠となり、アジャイルジャパンの参加者層が「アジャイル開発これから」・「アジャイル開発始めてまもなく」の方が多そうなこともあり方針転換をしました。結果として「アジャイル」「スクラム」という言葉を使わず、なぜRettyが開発文化を変えようと取り組んだのかの核が伝わるように話を作って見ました。他の方の発表を見て「もう少し踏み込んだ話をしてもよかったかな」とも思いましたが、「アジャイルをやる」のではなく「アジャイルにやる」ことのアプローチが伝わっていれば幸いです。

発表の時に触れるのを忘れていましたが、今年のAgile Japanのテーマは「変える勇気、変えない勇気」でした。 20分の発表では取り組んだ結果簡単にできたように伝わる面もありますが、Rettyも1回で成功したわけではなく過去の失敗の下積みがあってのことだと考えています。 自分たちが何を大事にしていて変えてはいけないものが何か、そのために変えられることは何か。言葉にすると簡単ですがこれを継続することがアジャイルにやるの根幹にあるのだと思います。改めていいテーマでしたね。

Q&A・反応など

発表時にいただいたQ&A

Q1: 開発文化を正す戻すときに変えるもの変えないもので、特にポイントがありましたら教えていただけないでしょうか

A1: 会社・組織が大事にしてきたことには耳を傾けた方が良いと思います。 自分の中の正解を押し付けるのではなく、会社・組織にあった正解を一緒に探していくんだという姿勢が相手に伝わるのがポイントだと思います。

Q2: 組織、人の拡大に伴って、一番苦労されたことはなんでしょうか?どのように解決されていったのでしょうか?

A2: 表層的な事項が誤って伝わることでした。例えば「決定者が決めたことを開発がひたらすらこなす社内受託になってしまうんじゃないか」とか。 移行した1ヶ月は説明会・チームごとに説明・個別に説明などとにかく時間をとって誤解を解き、基本的な考え方を説明して回ることに専念しました。

Q3: サービス維持とGotoEatなどの突発案件とのバランス、優先度の考え方はどのようにしていらっしゃいますか?

A3: 四半期ごとに企画部門と開発部門である程度の握りをしています、例えば「サービス維持に20%の工数を使う」とか。 スクラムのストーリーポイントをざっくり分類し、割合がわかるようにしていています。 所定の割合に達しなかった/超過してしまった場合も、割合を戻すことに注力するのではなく、状況を整理して話し、目標を調整することに重きを置いています。

Twitterでいただいたコメント

Agile Japan 2020の感想

実は初参加だったのですが、Regional Scrum Gathering TokyoやScrum Fest XXXとは違った雰囲気でした。 それはコンサルタントアジャイルコーチ、製造業・保険・インフラ、ツール販売、SIerなど固め・大きめの企業の参加者が多く、その事例発表の割合が多いことが影響しているかもしれません。connpassで見つかるアジャイルスクラムの勉強会はWeb企業・自社事業でやっている人の参加が多いと感じていますが、それ以外にもこんなにもアジャイルを取り入れようとしている人が多いことに驚きました。

また発表スタイルとして事業会社の担当者+コンサルタント/アジャイルコーチの組み合わせが多いなと感じました。 発表構成が整えやすいから増えたのかと思われますが、事業会社の担当者の言葉で話してもらった方が臨場感が増し、聴く側も自分ごとに捉えやすいと個人的に感じます。 これからの1年間、自分の現場で奮闘し、来年のAgile Japanで情熱のこもった話ができる登壇者が一人でも増えることを願っています。 その実現のため、この後もAgile Japanはサテライト開催を計画しているようですが、登壇者の一人として、私に協力できることがあればお気軽にお声がけいただければ幸いです。