- 作者:Robert C.Martin
- 発売日: 2020/10/03
- メディア: 単行本
Clean Agileを読みました。 きちんとした書評は会社のTech Blogで公開予定のため、ここではボブおじさんの発言に対して個人的に感じたこと・考えたことを書き留めておきます。
大規模アジャイルについて
書籍の中で一貫して否定されていました😭
書籍の中で「そんな問題は存在しないと思う」とされていました、そうなのかな🤔
今の会社で大規模スクラム(LeSS : Large Scale Scrum)を推進していますが、「これは本当に必要なものなのか、疑う気持ちはわからんでも無いな」という気持ちもあります。 「すでに開発者がたくさんいるから大規模アジャイルを導入しなければならないんだ」となっているような感覚です。 自分で事業スピードと開発者数をコントロールできるのであればやりますかと言われると・・・やらないかもしれません。 チームのスケーリングの話は昨年末にCopeの話を聞いたときも考えさせられました。
ボブおじさんは小さなスクラムチームをたくさん作れば良いんだと主張していたように思えたのですが、それはそれで良いとも思えません。 またBasecampが少人数チームで2年かけてHEYを作ったという話を聞くと、「人数を増やしてリリースまで短くすることはできなかったのか」とも思ってしまいます。
「皆が一丸となり、偉大なサービスを、再現性を持って作れる」これがポストアジャイルなのかもしれません。
こちらはインドネシア・バリ島で撮影されたミナミゴンズイの稚魚の群れです。塊となって捕食者から身を守りつつも、群れ全体で回転しながら海底のエサを食べています。これなら、どんな魚も逃げてしまいそうですね。pic.twitter.com/15sWjDtC5I
— エピネシス (@epinesis) 2020年10月10日
アジャイルはソフトウェア開発のもの
スクラムガイドはソフトウェア開発のためのものという前置きを外していますが、スクラムよりも広義を指すアジャイルがソフトウェア開発だけのものというのはうーんと思います。 アジャイルHRや開発以外のスクラム導入事例も少なからずあるのでこの先もっと広まるのでは無いかなと考えています。
資格は意味が無い
自分もアジャイル開発に取り組むようになって4年半ほど経ちましたが、CSM/CSPOなどの資格試験は取らずにきてしまいました。 一線級のコーチの言葉で学べるメリットは有用だよなと思うのですが、資格試験そのものに意味がないことは同意です。
RSGTに行くとみんな資格好きだなーと思います(参加賞に取得資格を示すシールが貼れるようになっているんです)
コーチはいらない
「コーチいらない」といいながら「自分自身の振る舞いを確認するのにコーチは有用」とも言っていて書籍の中で主張がぶれています。
「コーチいらない」といいながら、後になってコーチングについて意見の異なる友人を肯定する一節が入り、どっちのスタンスなんだろうと混乱しましたが、コーチはいらないがボブおじさんの基本スタンスのようです。(補足いただいて訂正しました)
始めたばかりのコーチ(=トレーナー)はずっとは必要ないけど、定期的にアジャイルから外れていないかを確認するための壁打ち相手は必要なのではないかと思います。
アジャイルソフトウェア開発宣言は見直さない
「陳腐化するはずがないことを皆で合意して署名したのだから見直す必要がない」というのは腹落ちしました。
技術が重要
RSGTもそうですが、「フワッとした」思想を話すプロポーザルが増えているなと感じていたので、アジャイルな開発を支える技術プラクティスへの揺り戻しが来る気がしていますし、自分が外部発表をする時にもそのような割合を増やして行こうかなと思っていました。
この間1回目が開催されたAgile Tech EXPOはドンピシャですね。